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データから見る新型コロナワクチンの発症予防効果

コロナ(COVID-19)

英国健康安全保障庁(UK Health Security Agency)が新型コロナのオミクロン株とデルタ株への感染・発症に対する新型コロナワクチンの2回接種およびブースター接種の有効性について評価をしたレポートが発表されました。

UKHSAのレポート
SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England

非常に面白いデータだったので、今回ご紹介したいと思います。

注意

この記事で紹介するデータや結果はあくまでも暫定的なものであり、今後さらなるデータの蓄積により評価結果が変わる可能性もあることをご留意ください。

オミクロン株とデルタ株に対する新型コロナワクチンの有効性に関する暫定評価

このデータは英国健康安全保障庁が症例対象デザインを用いて、オミクロン株とデルタ株感染・発症に対して、新型コロナワクチンの接種有無を比較し、ワクチンの有効性を暫定的に評価したものである。

解析対象データは2021年11月27日~2021年12月24日に検査が実施された18歳以上の人である。なお、このデータには169,888のデルタ株感染例と204,036のオミクロン株感染例が含まれている。

オミクロン株とデルタ株の判別は全ゲノム解析、ジェノタイピング(遺伝子型判定)、S-gene target failure(SGTF)PCR検査にて実施している。

新型コロナワクチンの発症予防効果について

各社(アストラゼネカ、ファイザー、モデルナ)の新型コロナワクチン2回接種後の新型コロナ発症予防効果を示したグラフがこちらになります。

■ デルタ株
  • 各社のワクチン2回接種後2-9週間では、デルタ株に対して80%以上と高い有効率であった。
  • 日数が経過するに伴い、有効率は徐々に低下していくものの、ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンは25週(6ヶ月)以降でも60%以上の有効性を示した。
○ オミクロン株
  • 各社のワクチン2回接種後のオミクロン株に対する有効率はデルタ株と比較して明らかに低かった。
  • 2回接種後、20-24週間(5-6ヶ月)経過すると、オミクロン株に対する有効率はほぼなくなる

データから見てもわかる通り、各製薬会社のワクチン2回接種後はデルタ株よりもオミクロン株に対する有効率が低かったことが読み取れます。また、2回接種後半年が経過してしまうと、もはやオミクロン株に対しては有効率がほとんどないこともわかります。

オーストラリアでは2021年2月22日以降に新型コロナワクチンの接種が開始されているので、早い段階で2回接種した人はもはやオミクロン株に対しての有効性はないと考えた方がよさそうですね。

一方、QLD州政府が未接種者に対する行動規制を発表した後にワクチンを2回接種した人は、接種後2ヶ月程度しか経過していないので、オミクロン株に対する有効率は50%程度あると思われます

この有効率50%を高いとみるか低いとみるかは微妙なところですね・・・

JIN
JIN

テレビのニュース番組では

『今日の新型コロナ新規陽性者は○○人、内ワクチン2回接種者の感染は○○人でした』

なんて報道を見たりしますが、2回のワクチン接種完了からどれくらいの日時が経過している人がどれだけ含まれているのかという重要な情報がいつも抜けている気がします。

これでは、まるでワクチン接種の効果が既に消えているよう意図的に誤解を与えているか、もしくは単に不安を煽っているように感じてしまうのは僕だけだろうか。

ブースター(3回目)接種による発症予防効果

オーストラリア連邦政府は 新型コロナワクチンの2回目の接種を4ヶ月以上前に終えた方を対象に、ブースター(3回目)接種の導入を開始しています。このブースター接種が発症予防においてどれだけの効果を示すのかを見ていきたいと思います。

アストラゼネカ社製のワクチンを2回接種後、ファイザー社製もしくはモデルナ社製のワクチンを交互接種(初回と異なるワクチンを接種)した際のワクチン有効率のデータがこちらになります。

アストラゼネカ社製ワクチン2回接種後のブースター接種
  • ブースター接種としてファイザー社製ワクチンを用いた場合、2-4週間後に発症予防効果が65%に上昇するものの、10週以降で50%に低下していた。
  • ブースター接種としてモデルナ社製ワクチンを用いた場合、2-4週間後に発症予防効果が70%に上昇していた(10週以降のデータなし)。

ファイザー社製のワクチンを2回接種後、同じファイザー社製ワクチンを接種、もしくはモデルナ社製のワクチンを交互接種した際のワクチン有効率のデータがこちらになります。

ファイザー社製ワクチン2回接種後のブースター接種
  • ブースター接種として同一のファイザー社製ワクチンを用いた場合、接種直後に発症予防効果が70%に上昇するものの、10週以降で50%に低下していた。
  • ブースター接種としてモデルナ社製ワクチンを用いた場合、1-9週の間で70%の有効性が認められた(10週以降のデータなし)。

データからわかる通り、ブースター接種による発症予防効果はある程度あるものの、一定期間が過ぎると効果が低下する傾向が読み取れます。どれくらいの期間で効果がなくなるのかは、今後さらなるデータを取得していく必要があります。

JIN
JIN

ファイザー社製のワクチンを2回接種した後に、同じファイザーをブースター接種した場合は、約20週間(5カ月)で効果がなくなりそうな予感がしますね。

そうなるとオーストラリア政府は今後何度もブースター接種を推奨してくることが想定できます。

オミクロン株に対するワクチン接種による入院(重症化)予防効果

これまでは新型コロナワクチン接種による発症予防効果についてのデータを示してきましたが、ここからはオミクロン株に対するワクチン接種による入院(重症化)予防効果のデータになります。

オミクロン株に対する新型コロナワクチン接種による入院予防効果
  • ワクチン接種2回を完了した場合、2-24週間後の入院予防効果は72%、25週以降は52%であった。
  • ワクチンを3回接種した場合、2週間後の入院予防効果は88%であった。

現在、世界中で大流行しているオミクロン株ですが、ワクチン2回接種でもそれなりに重症化予防の効果はありそうです。

ワクチン2回接種から25週(6ヶ月)経過すると発症予防効果はほぼゼロだったのに対して、重症化予防効果が52%というのはかなり良好な数字ではないかと思います。

JIN
JIN

ワクチンの2回接種していいる人は、これだけ感染者が増えてしまった中での感染・発症は致し方なくても、重症化して入院しなければよしとするかと思えてしまいますね。

ブースター(3回目)接種に関する新たな知見

最近になって短期間のスパンでブースター接種を繰り返すことで最終的に免疫力が低下する可能性があることが示唆されています。

これに関しては、まだまだデータが少ない状況だが、すぐにブースター接種すべきかどうかの判断材料の一つになるのではないでしょうか。

JIN
JIN

オーストラリア政府が推奨している2回目完了からの4ヶ月の間隔が果たして短期間と言えるのかが気になるところです。

まとめ

今回は、新型コロナワクチン接種、ブースター接種による感染予防効果と入院(重症化)予防効果に関する最新のデータを示してみました。

新型コロナの発症予防効果を上げるためにはブースター接種が有効であることもデータから読み取れたのではないでしょうか。

こういった根拠に基づいて、オーストラリア政府は2回の完全接種に加え、 2回目接種の4ヶ月後にブースター接種を受けることを強く推奨しています 。

一方で、今回のデータで示したようにワクチン2回接種が完了した場合、発症予防効果は約半年で消失するが、入院予防効果はそれなりに維持される可能性があるので、本当に2回目接種の4ヶ月後に3回目を打つ必要があるのかは疑問を感じてしまいます。

このため、ブースター接種を本当に受けるべきかどうかは自身の2回接種の完了時期がいつなのかを考慮した上で検討すべきではないでしょうか。

JIN
JIN

オミクロン株の重症化リスクがこれまでの変異株と比較して低い可能性があるため、オミクロン株が流行している今は個人的にブースター接種をすぐに受けたいとは思わないですね。

ただし、現在『重症化リスクの高いデルタ株』+『感染力の強いオミクロン株』が結合した『デルタクロン』が発生した可能性があります。この変異株が流行し始めたら、僕もさすがにブースター接種を真剣に考えると思います。

早く新型コロナが風邪を引き起こす季節性ウイルスになることを祈るばかりです。

コメント

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