日本で電話詐欺と言えば、高額な通話料を請求される国際電話詐欺かオレオレ詐欺でしょうか。
ここオーストラリアでは、通話料詐欺みたいなのはなく、ほとんどが銀行やクレジットカード番号を聞き出す詐欺です。
被害にあうとお金を取られるばかりか、その後の対処(警察署への連絡、キャッシュカードやクレジットカードの再発行など)がとても面倒です。
英語での対応になるので、考えただけで気が滅入ります。
そこで、今回はオーストラリアの電話詐欺のことを知ることで、予防になるんじゃないかと思い記事にまとめてみました。
記事ではオーストラリアで頻繁にある様々な電話詐欺がどういう手口で行われるかと、今回僕自身が実際にだまされかけた詐欺電話の内容をご紹介したいと思います。
だまされかけて本用に危なかったです!
海外でよくある電話詐欺の手口
海外に住んでいれば、必ず1度は詐欺電話がかかってくるほど横行しています。その内容も多岐にわたるので、以下に代表的なものを紹介したいと思います。
電話会社やインターネットプロバイダーを名乗る詐欺電話
『電話/インターネット回線に問題がある』、『PCがハッキングされている』と言ってきて、PCの操作を要求してきます。相手の指示に従うと、遠隔操作のソフトをダウンロードさせられたりして、PC内の個人情報を抜き取られます。
銀行、クレジット会社を名乗る詐欺電話
銀行のアカウント情報やカード番号が流出しているため、早急に止める必要があると言ってきます。
アカウントやカードを停めるためにクレジットカード番号が必要だと言ってきて聞き出そうとしてきます。そしてさりげなく、セキュリティーコードも要求してきますが、これだけはどんなことがあっても教えないようにしましょう。
大手ECサイト(Amazon、eBAY)を名乗る詐欺電話
ECサイトのアカウントが乗っ取られて既にお金が引き落とされてしまっていると言ってきます。
違法に引き落とされたお金の返金処理をするためにクレジットカードや銀行口座の情報を要求してきますが、教えないようにしましょう。
最近多いのは、
『Amazonプライムの無料お試し期間が間もなく終わり、解約しないと自動的に有料会員にシフトするから対応をお願いします』
という電話です。
実際にAmazonプライムを申し込んだ記憶がないようであれば、詐欺電話なので無視しましょう!
- 銀行のアカウントナンバーと暗証番号は絶対に教えない
- クレジットカードのカード番号とセキュリティーコードは絶対に教えない
- 個人情報(住所、免許書番号、旅券番号、生年月日 等)を教えない
多くの詐欺電話の相手はインド系訛りの英語であることが特徴的です。
ただし困ったことに、オーストラリアのカスタマーサポートの人もかなりの高い率でインド系訛りの英語を話します。なので、英語の訛りだけでは詐欺電話であるかどうかを判断するのは難しいです。
オーストラリアで危うく電話詐欺にだまされけた経緯
その日はどんよりとした曇り空で、朝からネット回線が死んでいました。
日本では考えられないことであるが、オーストラリアでは天気が悪くなるとしばしばネット回線がダウンしてしまいます。通常はそれでも10分~1時間程度でネットが回復するのですが、年に1、2度は半日回復しないこともあったりします。
基本はほっといて回復を待つしかないのですが、過去に一度だけ我が家の回線が切られていたことがありました。そういう時は当然いくら待ってもネット回線は回復しないので、プロバイダーの技術者に対応してもらうしかないです。
そしてその日はどうしても直ぐにネットを使いたかったので、プロバイダーに電話してしまったのが事の始まりです。
以下、プロバイダーとのやり取りです。
Hello!
ネット回線がダウンしているんだけど、これって我が家だけ?
それとも地域全体がダウンしてるの?
サポート
その地域は別にダウンしてないですね。
もしかしたらお宅のモデムに問題があるのかもしれないです!
テクニシャンに伝えますので、一度電話を切って待っててください。
20~30分後にテクニシャンから電話が行くはずです。
いつも通りインド訛りの英語をしゃべるカスタマーサポートが対応をしてきました。
非常に聞き取りにくい英語ではあるが、オーストラリア訛りの英語よりは大分ましです。
そして待つこと15分…
インドからの国際電話です。
えっ?なぜインドから??
疑問に思いつつも、電話に出ると…
こちらNBN(光回線)のテクニシャンです。
ネット回線ダウンについて電話をしました。
プロバイダーのテクニシャンから折り返し電話があると言われて待っていたところ、かかってきた電話がNBNのテクニシャン(プロバイダーの会社名は名乗っていない)と名乗るインド訛りの英語を話す人からでした。
このタイミングで電話がかかってきたから、これが詐欺電話だなんて微塵も疑いません。
結果、相手の指示に淡々と従ってしまいました。
ちなみに電話詐欺師が要求してきた内容は以下の通り!
- ネット回線の復旧は自宅のパソコンから対応する必要があるが、操作が難しいのでパソコンにAnyDesk* をダウンロードしてアクセス権を付与して欲しい
⇒ダウンロードしてアクセス権を付与したが、何故かうまくいかず - ネット回線が使用できなかった期間分は返金するので、必要事項をGoogleフォーム*に記入して欲しい
⇒記入するもなぜかエラーになる - Googleフォームではエラーになるので、違うフォームに以下の情報を記入
- 住所
- 氏名
- ライセンスナンバー
- 銀行BSB No.、アカウントNo.、オンラインバンキングID、パスワード
⇒IDとパスワードを記入っておかしくないか??と疑問に思い始める
*AnyDesk:外部からPCを遠隔操作するためのソフト
*Googleフォーム:Googleが提供している無料のアンケート作成・管理ソフト
上記要求の1,2はなんの疑問も持たずに言われるがままやるも、3のオンラインバンキングIDとパスワードを入力する箇所で何かがおかしいと察し、入力を拒みました。
最終的には、『このテクニシャンなんか怪しい』ということで電話を切りました。
正直言って、プロバイダーのカスタマーサポートの担当者と電話詐欺師がグルになってるんじゃないかと疑っています。
この件を後ほどカスタマーセンターに突き詰めたところ、
『詐欺の電話がこのタイミングできたのはただの偶然だろ』
と言ってかたくなに否定をしていました。
ちなみに本物のテクニシャンからは翌日電話がかかってきました。
遅すぎやしないですかね…
海外でこれをしてきたら詐欺電話と疑うべし
海外からの不審な発信番号
発信番号が海外からの電話はいかなる内容であっても詐欺電話であると疑いましょう。
オーストラリア国外にカスタマーサポートを置いているオーストラリアの会社から電話がかかってくる場合は、オーストラリア国内の番号が表示されます。
このため、海外(中国、インド、フィリピン、イランなど)からの番号でかかってきた電話はほぼ100%の確率で詐欺電話と考えた方がよさそうです。
電話によるパソコン操作への誘導
電話越しに自分のパソコンを起動し、ソフト(アプリ)をダウンロードするように言われた場合は、相手が詐欺師の可能性が高いです。
詐欺電話では『あなたのパソコンがウィルスに感染している』『あなたのパソコンで対応しなければならない』といったようにありもしない技術的な問題や対応を指摘・指示してくることがしばしばあります。
相手の言うことを信じきってしまい、誘導されるがままパソコンを操作して悪意のある遠隔操作ソフトをダウンロードしてしまうと、パソコンに入っている全ての個人情報(クレジットカード番号など)が抜かれてしまいます。
執拗に個人情報を聞いてくる
正規のカスタマーサポートや銀行などからの電話の場合、住所・氏名・電話番号・生年月日を聞かれることはあります。
ただし、銀行のアカウントナンバーやログインID・パスワード、またはクレジットカードナンバーとセキュリティーコードを聞かれることはまずないです。
これらの情報を聞いてきた場合や、パソコン上で入力するように言われた場合は、詐欺の可能性が高いです。
決してこれらの情報は教えないようにしましょう。
海外での電話詐欺のまとめ
詐欺師は甘い言葉で心の隙をついたり、こちらを助けるふりをして虎視眈々とお金を狙っています。
特に海外では英語が苦手なアジア人は格好の獲物です。
ということで、海外で電話詐欺に引っかからないためのポイントのまとめです。
- 海外発信の電話番号は要注意
- 特定のソフトウェアをダウンロードするように要求してきたら、要注意
- 個人情報(氏名、住所、免許書番号など)は教えない
- 銀行口座番号やクレジット番号、パスワードやセキュリティーコードは絶対に教えない
海外に住んでれば必ず一度は詐欺電話がかかってくると思っといた方がよいので、皆さんもお気をつけください。
それでは、本日は以上です。
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