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オーストラリアといえば、最低賃金が世界一高いことで有名です。2025年2月現在、最低賃金はなんと$24.10、日本円にして約2,330円。この高賃金に魅力を感じ、多くのワーキングホリデー(ワーホリ)希望者がオーストラリアへ渡航します。しかし、現実はそれほど甘くありません。
なぜなら、一部の会社や店舗では、さまざまな手段を用いて労働者の賃金を搾取しているからです。知識を持たずにオーストラリアへ来てしまうと、知らぬ間に不当な扱いを受ける可能性があります。
そこで今回は、オーストラリアでの就労経験があり、さらに現地で飲食店を経営していた私が、オーストラリアの会社や店舗がどのようにして賃金を搾取するのかをご紹介します。正当な権利を守るためにも、ぜひ最後までお読みいただき、知識を身につけてください。
オーストラリアでは以降に記載している賃金搾取の方法を実際におこなっているところもありますが、その一方で法律に則って、きっちり誠実に賃金を支払っているところも当然あります。
賃金搾取【初級編】
初級編で紹介するのは、もはや一般的になっているものばかりです。
昔よりはかなり改善されつつあるものの、まだまだここで紹介する搾取の方法を取り入れているところは多いと思います。
最低賃金以下の時給
オーストラリアでは毎年7月1日に最低賃金が上がっており、2021年ついにフルタイムワーカーの最低時給は$20を超えてきました。
現在(2025年2月)の、最低時給は以下の通り。
- フルタイム・パートタイムの最低時給 $24.10
- カジュアルの最低時給 $30.13
オーストラリアの最低賃は日本と比べて異様に高いので、この金額は多くのワーホリや留学でオーストラリアに滞在している日本人の間でも広く知れわたっているものの、実は職業別で最低賃金額が違うことはあまり知られていない気がします。
※各職業別の賃金はフェアワークスのHPで確認可能
さて、このようにオーストラリアでは最低賃金が高額なわけだが、この国に来れば必ずしもこの時給で働けるわけではありません。なぜなら、未だに最低賃金以下で人を雇っているところがあるからです。

最低賃金以下での雇用はもちろん違法です!

最低賃金以下での雇用が目立つ職種として、アジア系の飲食店(ジャパレス、韓国レストラン、タイレストランなど)が挙げられます。ひと昔前(10年ほど前)は、時給$10程度も珍しくありませんでした。しかし、最近ではその水準では働き手が集まらないため、正規の時給より10~15%ほど低い(カジュアル雇用で$20~$23程度)時給を設定している店が多いようです。
ただし、飲食業界では年々フェアワークの監視が厳しくなっており、正規の時給を支払う店舗が大半をしめつつあります。

2025年1月1日より違法賃金は刑事罰(刑務所行)の対象になったことから、今後は違法賃金はさらに減っていくことが予想されます。
土日・祝日の割増時給がない

オーストラリアでは土日・祝日はフルタイム・パートタイム・カジュアルに限らず割増時給になります。意外と知られていないことなのですが、割増率は職種と雇用形態によって異なっています。
【飲食店(レストラン・カフェ)】
土曜日 | 日曜日 | 祝日 | |
---|---|---|---|
フルタイム | 平日の1.25倍 | 平日の1.5倍 | 平日の2倍 |
カジュアル | 平日の1.2倍 | 平日の1.2倍 | 平日の2倍 |
【クリーナー】
土曜日 | 日曜日 | 祝日 | |
---|---|---|---|
フルタイム | 平日の1.5倍 | 平日の2倍 | 平日の2.5倍 |
カジュアル | 平日の1.75倍 | 平日の2.25倍 | 平日の2.75倍 |
さて、土日・祝日の割増時給ですが、これは経営者にとって大きな負担となります。そのため、一部の店舗では割増時給を適用せず、平日と同じ時給でスタッフを雇っているケースもあります。
もちろん、これは違法です。そのため、近年は適正な割増時給を支払う店舗が増えてきていますが、依然として時給を上げずに運営しているところも少なくありません。

オーストラリアでは祝日の時給(カジュアルで$60.90~)が特に高いです。多くのスタッフを抱えている飲食店などは、よほど人気店でない限り、営業しているだけで人件費で赤字になります。
このため、正規の賃金を支払っている優良店は祝日に休業したりします。
サービス残業がある

サービス残業とは、賃金が支払われない時間外労働のこと。
特に飲食業界では、この問題が多く見られます。
個人的には、5~10分程度のサービス残業であれば許容範囲かもしれません。しかし、これが毎回のように発生したり、15分以上続いたりすると、不満が一気に高まりますね。

昔ゴールドコーストにあった寿司屋(もうつぶれてなくなりました)では、21時閉店で賃金も21時までしかつかないというところがありました。
スタッフは、閉店時間までにすべての片付けや掃除を終わらせる必要があり、オーバーした場合はサービス残業となっていたようです。
働き始めた職場でサービス残業が当たり前のように行われていても、なかなか異議を申し立てるのは難しいものです。結局のところ、我慢して受け入れるか、不満があれば辞めるしか選択肢がなくなってしまいます。
そのため、残業代がきちんと支払われるかどうかを、面接時に確認しておくことをおすすめします。
朝残業がある
朝残業とは、始業時刻よりも早く出勤し、働く時間外労働のことを指します。
ジャパレスなどでは、これを強要されるケースがまれにあります。
たとえば、「15分前に現場に入って仕事の準備をしろ」と指示されることがあります。
言い換えれば、「15分前に現場に入り、準備という名の労働をしろ」ということです。
当然、この15分には賃金が発生しません。
仮にカジュアル雇用(時給$30.13)で働いていた場合、15分の未払い賃金は$7.53になります。決して無視できない金額です。
これは、正規の時給を支払ってこなかった店舗が、フェアワークの監視強化を受けて仕方なく適正賃金を支払うようになったものの、代わりに朝残業やサービス残業を課すことで人件費を削減しようとしているのではないかと考えています。
例えば、朝残業15分+サービス残業15分を課せば、店舗側は1人のスタッフに対して1日あたり約$15を削減できます。これは、8時間労働のカジュアルスタッフ(時給$30.13)を、時給$28.26で雇っているのと同じ計算になります。
個人的には、始業時刻の5分前に入るよう指示される程度なら許容範囲かもしれません(もっとも、僕なら言われても入りませんが…)。

始業時刻ちょうどに店に来るスタッフがたまにいたりしますが、レストランオーナーとしては店には始業開始5分前には来て欲しいです。現場には始業時刻ちょうどに入ってもらえば良いと思っています。
ちょうどに店に来ると、遅刻なのか、何かあったのではないかと余計な心配をしてドキドキしちゃいます。
15分や30分単位で時間をカットされる

日々の労働時間を15分や30分単位で計算し、超過した端数の時間を切り捨てて賃金を支払わない方法があります。会社側にとっては給与計算が簡単になるため、この手法を採用しているところも少なくありません。しかし、これは明らかに違法です。
本来、労働時間は1分単位で集計・計算されるべきですが、実際に1分単位で正確に管理している職場はほとんどないのが現状でしょう。

僕が過去に働いていた店では5分単位で労働時間をつけており、端数が出たときは繰り上げてつけてくれていました。
例)15:08分までの勤務の場合は、15:10まで仕事をしたことになっていました。
面接時にオーバーした端数の労働時間がどう処理されるのかを知りたい場合は、「残業はありますか?ある場合、給与は支払われますか?」と、さりげなく聞いてみましょう。
良心的な会社(店舗)であれば、明確に答えてくれるはずです。一方で、最初から「残業は5分単位でつけてもらえますか?」のように直接的に聞くと、印象が悪くなる可能性があるため、避けるのが無難です。

賃金搾取【中級編】
中級編で紹介する内容は、働く人の無知につけこんで賃金を搾取する手口です。このレベルになると、個人的には悪意しか感じません。
残念ながら、これらの手法も初級編で紹介したものと同様に、いまだに行われているケースが少なくありません。
キャッシュジョブなのにTAXを源泉徴収(給与天引き)

これは主に収入に対する税率が一定(15%)であるワーホリに対して稀に行われる手法です。
雇用主がキャッシュジョブ(給与を現金払い)を採用する理由は、従業員を帳簿に載せず、最低賃金以下で働かせたり、スーパーアニュエーションの支払いを免れるためです。そのため、キャッシュジョブの従業員は帳簿に記載されないため、そもそも税金(TAX)が発生しません。

そもそも従業員を帳簿に載せないキャッシュジョブは違法です!
では、なぜ雇用主はキャッシュジョブでありながら、支払わない税金を給与天引きにするのでしょうか?
その理由は、雇用主が時給が最低賃金以下であることをあからさまに伝えたくないからです。そこで、ワーホリの従業員に対して面接時に以下のように説明することがあります。
「給料は正規の時給から税引き15%を差し引いた金額になります。」
このように説明することで、あたかも正規の時給を支払っているかのように見せかけ、実際には正規の時給よりも15%低い賃金で雇用することになります。オーストラリアに来たばかりのワーホリの場合、このように言われると、「そういうものか」と納得し、すんなりとその時給を受け入れてしまうことがあります。

面接時に『給与は現金払い。時給は税引き後の金額ね』なんて言われたら、そういうものなのかと思わずに、すかさず『現金払いなのになぜTAX分を引くんですか?』と突っ込みましょう!
Superannuation (スーパーアニュエーション)の給料天引き

これは実際に僕がカジュアルスタッフとして働いた会社での出来事です。給与の振込額が事前に計算していた額よりも少なく、おかしいなと思って問い合わせたところ、なんとスーパーアニュエーションが給与から天引きされていたことが判明しました。
スーパーアニュエーションとは日本で言うところの確定拠出年金制度です。自分の老後のために、給与の一部を積み立てていく義務的な貯蓄制度です。
雇われて働いている場合は、給料の10%を雇用主が給与とは別に支払う必要があります。
※スーパーアニュエーションの金額は2021年7月にこれまでの9.5%から10%に引き上げられます。また、2025年には12%に引き上げられることが計画されています。
雇用されている場合、従業員のスーパーアニュエーションの支払いは雇用主の義務であるにも関わらず、それを給与天引きにしている会社が存在することに、正直なところ衝撃を受けました。ここまでくると、従業員をバカにしているのではないかとさえ感じてしまいます。
ABNでの労働にもかかわらず低賃金

ABN(Australian Business Number)は、クリーナーやマッサージ師、美容師などの歩合制の仕事をする際に、雇用主から取得を求められることがあります。
雇用主が従業員を雇うと、例えばハウスクリーニングで家と家の移動時間や、マッサージの仕事でお客さんがいない時間にも時給が発生してしまいます。そのため、雇用主はこれらの支払いを避けるために、ABNを使って仕事をして欲しいと考えるわけです。
ABNとは個人事業主として働くために取得する番号の事です。
つまり、ABNで働くということは会社の従業員として働くのではなく、フリーランスとして仕事を請け負って働くということになります。
なお、会社に雇われているわけではないので、最低賃金の規定はABN取得者には当てはまらなくなります。
また、ABNで仕事をする場合は、以下の事項について自分で実施する必要があります。
- スーパーアニュエーションを自分で支払う必要がある
- 毎年TAXリターン(確定申告)をする必要がある
- TAXリターン時にまとめて税金を支払う必要がある
- ワークカバー(労災保険)に自分で入る必要がある
ABNの取得を雇用主から求められた場合、当然、ABN取得後の時給も提示されますが、その金額がとにかく低いことが多いのです。
会社によって差はありますが、例えばクリーナーの場合、ABNで時給$20~26が提示されることがあります。時給$20は論外として、時給$26はどう思いますか?低いと思いますか、それとも高いと思いますか?
僕の考えでは、ABNで時給$26は低いです。理由は、TAX(ワーホリの場合、収入の15%)、スーパーアニュエーション(収入の10%)、ワークカバーをすべて本人が支払わなければならないからです。
ワーホリの場合、TAXとスーパーアニュエーションだけで収入の25%が差し引かれることになります。つまり、時給$26の場合、$6.5が差し引かれ、実質時給は$19.5になってしまいます。だから、ABNで時給$26では割に合わないのです。
では、ABNで仕事をする場合、いくらが妥当な賃金かと言うと、時給$35以上だと思います。
このような事情に多くのワーカーが無自覚であるため、それを逆手に取って低賃金でABNの仕事をさせる会社がかなり多いので、注意が必要です。
※ABN雇用の場合、低賃金での雇用は違法ではないです。

ABNのお仕事でキャッシュでもらえる所がたまにあります。そういうところで働いている多くの人は収入を申告しない(TAXを支払わない)場合があります。
収入の申告をしなく、かつワークカバーにも加入しなければ給与のすべてが手元に残るので、割が良いように思えますが、バレた場合には当然ペナルティーがあるので気を付けましょう。

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賃金搾取【上級編】
オーナーによる賃金搾取上級編では、二つの内容を紹介しました。
一つ目で紹介している『レベルに則した賃金を支払っていない』については、働く側のほとんどの人がその問題を理解していないと思われます。実は、雇用主側もこの内容をきっちり理解していないのではないかとも感じています。
二つ目で紹介している『ビジネスビザサポートを口実に違法賃金(キャッシュバック)』については、金額が大きくなるため、こちらは上級編で紹介しています。
レベルに則した賃金(昇給額)を支払っていない

オーストラリアで働いた場合、どのタイミングで時給が上がるか、ご存じでしょうか?
長く働けば上がると思いますか?
任される仕事の幅が広がれば上がると思いますか?
それとも、最低賃金が高いため昇給はほとんどないと思われるでしょうか?
実は、この点について曖昧にしている企業が非常に多いのが現実です。最低賃金がかなり高いので、なかなか時給を上げないところも多いと思われます。また、時給が上がるタイミングは、ある程度働いた後に昇給する場合が多いというのが実際のところです。
しかし、ここには違法性が潜んでいることがあります。
オーストラリアでは、各職業ごとに最低賃金が設定されているだけでなく、昇給のタイミングや昇給額についても規定が定められています。
昇給額に関する規定をすべての職業にわたって列挙するのは難しいため、今回は多くの日本人が働いている飲食業(カジュアル)について記載します。
Restaurant Industry Award でのレベル別時給額
飲食業における最低賃金や、昇給額に関しては『Restaurant Industry Award』に記載されています。
このAwardの中で、各従業員(接客、調理人、雑用係、見習い等)は任されている仕事内容に応じてレベル分けされており、そのレベルに応じて時給が決められています。
Employee classification | Employee stream and grade | Casual Hourly pay rate |
---|---|---|
Introductory level | $29.33 | |
Level 1 | Food and beverage attendant grade 1; Kitchen attendant grade 1 | $30.13 |
Level 2 | Food and beverage attendant grade 2; Cook grade 1; Kitchen attendant grade 2; Clerical grade 1; Storeperson grade 1; Door person/security officer grade 1 | $31.23 |
Level 3 | Food and beverage attendant grade 3; Cook grade 2; Kitchen attendant grade 3; Clerical grade 2; Storeperson grade 2 Timekeeper/security officer grade 2; Handyperson | $32.25 |
Level 4 | Food and beverage attendant grade 4 (tradesperson); Cook grade 3 (tradesperson); Clerical grade 3; Storeperson grade 3 | $33.96 |
Level 5 | Food and beverage supervisor; Cook grade 4 (tradesperson); Clerical supervisor | $36.09 |
Level 6 | Cook grade 5 (tradesperson) | $37.05 |
例えば、キッチンハンド(Kitchen attendant)と調理人(Cook)であれば、下記のようにLevel に応じた仕事内容を実施する従業員と規定されています。
【Level 1】
調理人のサポート、仕込み(皮むき等)、食材の仕分け、皿洗い、キッチン内の清掃をおこなう従業員
【Level 2】
料理の盛り付け、キッチンハンドの指揮管理をおこなう従業員
【Level 3】
キッチンハンドのトレーニングと指揮管理をおこなう従業員
【Level 1】
朝食や軽食の調理、ペイストリー(タルト等)のクッキング、肉の処理をおこなう従業員
【Level 2】
朝食や軽食の調理、ペイストリー(タルト等)のクッキング、肉の処理に関して、一定レベルのトレーニングを完了した従業員
【Level 3】
調理全般、ペイストリー(タルト等)のクッキング、肉の処理に関して習熟度が高い従業員
【Level 4】
調理全般に従事し、また他のグレードの調理人の指導・管理をおこなう従業員
【Level 5】
調理全般や在庫管理に従事し、 また他のグレードのクックの指導・管理に責任を負う立場の従業員
これに従うとキッチンハンドとして雇われた場合は、皿洗いや仕込み、料理の盛り付け等のみが可能であり、調理は一切できません。厨房で調理をする場合はクックの区分となり、カジュアルの最低賃金(Level 1)は$30.13となります。
ですが、実際はキッチンハンドとクックの区分も各Level の区分も曖昧に行っている飲食店が多いと思います。そして、そういうところは当然のごとく、各Level に応じた賃金も支払っていない場合が多いです。

グレードに応じた賃金を支払っていない飲食店はジャパレスに限った話ではありません。中にはローカルの飲食店でも曖昧にやっているところがあります。
逆に、ジャパレスできっちりやっているところも少ないですが、あります。
ビジネスビザサポートを口実に違法賃金(キャッシュバック)

これはかなり悪質な手法であるため、上級編に記載しました。
オーストラリアに残りたい、永住権を目指している人にとって、ビジネスビザ(一時滞在就労ビザ)は非常に魅力的なビザです。しかし、このビジネスビザのサポートを利用して賃金搾取が行われることがあります。
ビジネスビザのサポート(サブクラス482の場合)を受けた従業員は、オーストラリアに2~4年滞在できるようになります。一方、雇用主は長期間の人材確保が可能になりますが、その代わりにビジネスビザをサポートした従業員に対して、年額7万3,150豪ドルの給与支払いを遵守する必要があります。
この給与支払いは確実に行われる必要がありますが、時にはこれを出し惜しむ雇用主がいます。そこで、雇用主はオーストラリアにビジネスビザで残りたい従業員に対し、ビザサポートをする代わりに、銀行に振り込まれた給与の一部を現金で返金することを要求することがあります(記録が残らないように)。
このようにして、ビジネスサポートを受けた人は、本来受け取るべき給与額を減らされる代償として、オーストラリアに数年滞在できる権利を得ることになります。
このやり方は、数年前まで某飲食チェーン店でも行われていたと聞いています。現在ではこのようなことを行う雇用主はかなり減少したとは思いますが、どうしてもオーストラリアに残りたい人は、この申し出を受け入れてしまうことがあり、今でも行われているところが存在するかもしれません。

これとは別でビジネスビザのサポート絡みで悪質な行為もあったりします。
実際に僕の学生ビザの知り合いは、ビジネスビザのサポートをするからという理由で長い間、時給換算で$20以下で働かされていました。なかなかビザが下りないので何度も雇用主に状況を確認すると『今、申請中だ』『弁護士さんの方で手続きに手間取っているみたい』といった返事が返ってくると言っていました。
後々判明したことなのですが、その雇用主は申請どころか何もしていたかんたようです。友達は学生ビザの期限も切れて、最終的には帰国することになりました。
こういった酷い雇用主も稀ですがいたりします。

最後に
様々な賃金搾取のパターンを紹介しましたが、搾取しているところは大抵これらを組み合わせてやっています。
もっとも望ましいことは、法律に遵守してきっちりやっているところで働くことだと思いますが、 英語が大して話せなかったり、特別なスキルがなければ正規の賃金を支払う仕事場を見つけることは非常に難しいです。

オーナー視点から言えば、正規の賃金を出す以上は英語ができて、求めるスキルを持っている人を雇いたいと思うのは当たり前です。
オーストラリアでの日々の生活には当然お金が必要になるので、多くのワーホリや留学生は最終的に妥協して違法賃金で雇ってくれる所で働かざるを得なくなることがほとんどではないかと思います。しかたなく、こういった所でしか働けない場合は、自分の中でどこまでを許容できるかを見極めることが重要だと思います(僕自身、違法賃金を肯定しているわけではないです)。
例えばある飲食店でのカジュアル(正規の時給は$25.41)の時給が$22~23で賄いが毎回つくような店であった場合は、これは最低賃金以下ではあるものの、比較的良心的な部類に入るものだと思います。
ABNでの仕事も、僕は時給$26は低いと書きましたが、飲食店の正規の最低時給(カジュアル)よりは高いことになります(TAXとスーパーアニュエーションを支払わなければの話ですが…)。なので、それなりには稼げますので、あとは自分自身がどう感じるか次第ではないでしょうか。

僕も過去に正規の賃金よりも低い飲食店で働いたことがあります。その店は昼も夜も食べきれないくらいの賄いを毎回つくってくれていたので、自分の中では違法賃金に関しては納得した上で働いていました。
